第55回地学団体研究会総会決議その3

「憲法・教育基本法にもとづく教育改革を求める」決議



「憲法・教育基本法にもとづく教育改革を求める」決議

 第151回通常国会最終日の2001年6月29日,参議院本会議で教育三法(学校教育法,地方教育行政の組織及び運営に関する法律,社会教育法)の改悪がおこなわれた.その主たる内容は,@「奉仕活動」の義務化(学校教育法・社会教育法の一部改正),A「問題生徒」の出席停止要件の明確化,B大学及び大学院への入学年齢の緩和(学校教育法の一部改正),C高校通学区域の撤廃,D「不適切教員」の転・免職措置(地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部改正)である.
 教育三法改正の国会審議の過程では,三法改正の持つ重大な問題点や拙速な改正による矛盾が明らかになった.一例をあげると,現行法のもとでも,さまざまな社会自然体験や奉仕活動を教育に位置づけること,問題生徒の対応などは十分にできる.また,「不適切教員」の転・免職措置については,昨年度から人事考課制度を導入した東京都の例からも,生徒・教職員・保護者相互が信頼関係を築きながら教育活動に取り組むことに対して,きわめて有害であることは明らかである.
 これらをはじめ多くの問題点が指摘されているにもかかわらず,「21世紀教育新生プラン」にもとづいて教育三法の改悪が拙速におこなわれたことは,いじめや不登校,校内暴力などの増加の問題,学力低下の問題など,日本社会の未来に関わる教育問題の本質的な解決をかえって阻害することになるであろう.
 我々地学団体研究会は,これまで地域や学校,職場で,「国民のための科学を」を合い言葉に,市民や子供たちととともに科学運動を実践してきた.この経験に照らしても,教育問題の解決に必要なことは,教育三法改悪によって「選別と排除の論理」や「競争と強制」を徹底することではなく,日本国憲法,教育基本法にもとづいて真にゆとりある教育に改革していく事こそ解決の方向であると考える.
 我々は,教育三法を改悪したことに強く抗議するとともに,憲法,教育基本法にもとづいて教育改革がおこなわれるよう求める.さらに,最近の小泉首相の発言に象徴される憲法や教育基本法を改悪しようとする動きにも断固反対する.
 以上決議する.

2001年8月4日
地学団体研究会第55回総会



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Updated: 2001/08/09
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