ドツボの卒論生に贈る フィールド写真 レタッチ・テクニック
By Takayuki Kawabe, Laboratory of Earth Science, Faculty Education, Yamagata University

フィールド写真から雪を取り除く方法

 以下に紹介する方法は,同じ位置から同じ画角で取った複数枚(2枚以上)の写真が必要です.

 もし,手持ちの写真が1枚しかなかったら,この方法はあきらめて下さい.さもなくば,あらためて,雪を掻き分けて撮り直しに行ってください.

 幸いにも複数枚の同じ写真を持っているあなたにお教えする,とっておきのテクニックです.

 ※ご注意: 残念ながら,すでに露頭に積もってしまっている雪は
消せません

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 1.同じ画角の写真画像を2枚以上用意する.
   
 同じ画角の写真画像を2枚以上用意します.

 写真画像は,デジタルカメラ・デジタルビデオなど最初から画像データとしてあるものは別として,ネガフィルム/ポジフィルムなどのスチールカメラで撮ったものは,直接フィルムからフィルムスキャナ/フラットベッドスキャナを用いて,またはプリントからフラットベッドスキャナを用いて画像化します.

 読み取り解像度は,A4のOHPにするなら,240DPI〜360DPIで充分です.

 以下の例では,それぞれ,プログレッシブモードで撮影したデジタルビデオから 690 × 480 ピクセルでキャプチャーした画像を使用しました(このページの画像は,オリジナルを1/3に縮小したものです).
   
サンプル1−1サンプル1−2サンプル1−3

サンプル2−1サンプル2−2

 2.画像をレタッチソフトに読み込んで開く.
   
 これらの写真を,Adobe PhotoShop, Corel PhotoPaint, Micrografx PicturePublisher などのレタッチソフトに読み込んで開きます.

   

 3.1方の画像をコピーして,もう一方の画像にペーストし,”暗色混合”する.
   
1.一方の画像をコピーします.

2.コピーした画像を,もう一枚の画像に貼り付けます.

3.貼り付けた画像の重ね合わせのモードを,”暗化”(Corel PhotoPaint),”暗色混合”(Micrografx PicturePublisher)など,両方の画像の重なっている各ピクセルうち,暗い方のデータばかりを用いて混合するモードに設定します.
   
Micrografx PicturePublisherの場合   Corel PhotoPaint の場合

4.両方の画像の位置がピッタリ一致していたら,これで完成です.

 しかし,実際には,2枚の画像がぴったし重なることは,めったにありません.そのため,二枚の画像をぴったし重ねるための位置合わせの操作が必要です.

 位置合わせには,以下のように,”差分”,”差違”など,2つの画像のピクセルごとの差を表示するモードにすると,やりやすいです.本来,全く同じような写真であれば,位置が合うと,各ピクセルの値が同じなので,真っ黒になるはずです(あ,それぞれ雪が舞っている写真でしたね...だから,それぞれの画像に写っている両方の雪だけが白く見えているはずです).
 しかし,実際には,両者は全く同じではないので,白い部分が一番少なくなるように重ねます.


差違モードで両画像の位置がずれている場合



差違モードでほぼ完全に重なっている場合


 これで,再度,”暗化”/”暗色混合”モードに直せば完成です.



   
 4.もし,2枚で雪が消えなかったら,さら別の画像を重ね合わせる.
   
 サンプル1−1の画像とサンプル1−2の画像を重ね合わせた場合,下の左の図のように,偶然2枚の画像のほぼ同じ位置に雪が写っていた部分が3箇所ほぼあって,その部分だけ雪が残ってしまいました.
 そこで,サンプル1−3の画像をさらに重ね合わせた結果が,真中の図です. これをさらに明るさを調整して完成したのが<右の図です.

   

サンプル1−1サンプル1−2の2枚の画像の重ねあわせでは,完全には消えなかった


そこでもう一枚のサンプル1−3の画像を重ね合わせた結果がこれ


雪を消し終えた画像のコントラストを調整した結果

 以上で完成です.

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Updated:2000/12/28
Created by:Takayuki Kawabe
 川辺孝幸
 山形大学教育学部地学研究室